ETFランキングを見る前に確認したい3つの視点
ETFランキングは、銘柄を知るきっかけとして便利です。ただし、ランキングにはさまざまな種類があります。売買代金ランキング、純資産総額ランキング、値上がり率ランキング、分配金利回りランキング、信託報酬の低さを比べるランキングなど、何を基準に並べているかで意味が大きく変わります。
1. 値上がり率ランキングは「今後の利益」を保証しない
直近で大きく上昇したETFは目立ちますが、過去の値上がりが将来も続くとは限りません。半導体ETFやテーマ型ETFは、注目度が高い局面では大きく上がることがありますが、業績期待や金利、為替、需給の変化によって短期間で値下がりすることもあります。
ランキングを見るときは、「なぜ上がったのか」「投資対象は何か」「特定の業種や国に偏っていないか」を確認することが大切です。上位にあるから安心、人気があるから安全、という判断は避けましょう。
2. 配当利回りランキングではなく「分配金利回り」と中身を見る
ETFでは、株式の配当金に近いものとして「分配金」が支払われる場合があります。ただし、ETFの分配金は投資信託の運用収益などから支払われるもので、金額や支払いの有無は商品ごとに異なります。
「ETF 配当利回りランキング」という言い方も見かけますが、ETFでは正確には分配金利回りとして確認するのが一般的です。利回りが高く見えるETFでも、価格が大きく下落した結果として利回りが高く表示されている場合があります。また、分配金を多く受け取れても、基準価額や市場価格が下がれば、トータルでは損失になる可能性があります。
3. 信託報酬だけでなく売買手数料も見る
ETFの主なコストには、保有中にかかる信託報酬と、売買時にかかる売買手数料があります。近年は国内株式やETFの売買手数料を無料または低水準にしている証券会社もありますが、条件は会社や取引コースによって異なります。
長期保有では信託報酬の差が積み重なります。一方、短期売買を繰り返す場合は、売買手数料や売買価格の差も無視できません。ETFを比較するときは、信託報酬、売買手数料、売買単位、売買代金、純資産総額をあわせて確認しましょう。
半導体ETFやテーマ型ETFは魅力と偏りをセットで考える
半導体ETFは、生成AI、データセンター、自動車、スマートフォン、産業機器などの成長テーマと関係が深く、注目されやすい分野です。個別の半導体企業を選ぶのではなく、半導体関連の複数銘柄に分散できる点はETFの利点です。
ただし、テーマ型ETFは投資対象が特定分野に集中しやすくなります。半導体ETFであれば、半導体市況、設備投資、米国や台湾などの関連市場、為替、地政学リスクなどの影響を受ける可能性があります。長期の資産形成の中心に置くのか、一部の成長テーマとして組み入れるのかで、適切な比率は変わります。
テーマ型ETFを見るときのチェック項目
- 連動対象の指数や運用方針は何か
- 上位組入銘柄に偏りがないか
- 投資対象の国や通貨はどこか
- 信託報酬は同じ分類の商品と比べて高すぎないか
- 純資産総額や売買代金は十分か
- 長期保有向けか、短期売買向けか
ETFの分配金は「もらえる金額」だけで判断しない
ETFの分配金は、決算ごとに支払われることがあります。年1回、年2回、年4回、毎月など、分配頻度は商品によって異なります。高配当株ETFやREIT ETFのように、分配金に注目されやすいETFもあります。
ただし、分配金は確定利息ではありません。市場環境や運用状況によって変動します。分配金が出ると、その分だけETFの基準価額や市場価格に影響が出る場合もあります。分配金を受け取る投資方針が合う人もいれば、分配金よりも資産全体の成長を重視したい人もいます。
「毎月分配」「高利回り」「ランキング上位」という言葉だけで判断せず、投資対象と価格変動リスクを確認することが欠かせません。
ETF名鑑・銘柄一覧は「比較の入口」として使う
ETF名鑑や証券会社のETF銘柄一覧は、商品を比較する入口として役立ちます。国内株、米国株、先進国株、新興国株、債券、REIT、商品、テーマ型、レバレッジ型、インバース型などに分類されていることが多く、自分が見たい分野を絞り込みやすいからです。
ただし、一覧ページの数字だけでは、ETFの中身までは十分にわかりません。候補を見つけたら、運用会社の月次レポート、交付目論見書、指数の説明、構成銘柄、信託報酬、分配方針を確認しましょう。
最後に、実際に証券口座でETFを買う前に、買い方と新規上場ETFの確認方法を押さえておきましょう。
