つみたてNISAは売却できる?必要なら途中売却も可能
つみたてNISAや現行NISAのつみたて投資枠で保有している投資信託は、必要に応じて売却できます。売却益が出ている場合、NISA口座内の非課税対象であれば、通常は利益に税金がかかりません。
現行NISAでは、商品を売却した場合、売却した商品の簿価、つまり取得金額の分だけ非課税保有限度額が翌年以降に復活します。ただし、その年の年間投資上限を超えて再投資できるわけではありません。
売却前に確認したい3つのこと
- 使う目的が明確か:生活費、教育費、住宅費など、必要性を確認する
- 相場下落時の売却ではないか:一時的な不安だけで売ると、長期投資の効果を得にくい
- 再投資の予定があるか:売却後に現金のまま置くのか、翌年以降に再利用するのかを考える
売却できることは安心材料ですが、頻繁な売買を前提にすると、つみたて投資の良さが薄れます。制度の目的は、短期売買で利益を狙うことではなく、長期・積立・分散による資産形成を支援することです。
つみたてNISAのデメリットも知っておく
つみたてNISAにはメリットが多い一方で、注意すべき点もあります。非課税だからといって、投資リスクが消えるわけではありません。
元本割れの可能性がある
投資信託は、株式や債券などの値動きによって基準価額が変動します。長期投資でリスクをならす効果は期待できますが、必ず利益が出るわけではありません。購入時より値下がりした状態で売却すれば、損失が出ることがあります。
損益通算や繰越控除ができない
NISA口座で発生した損失は、課税口座で出た利益と損益通算できません。また、損失の繰越控除もできません。利益が非課税になる一方で、損失が出たときの税制上の扱いには注意が必要です。
短期間で使うお金には向きにくい
数カ月後や数年以内に使う予定があるお金を投資に回すと、必要なタイミングで値下がりしている可能性があります。つみたてNISAは、教育費、住宅購入資金、老後資金などのうち、比較的長く運用できる資金で考えるのが基本です。
つみたてNISAは子供名義で使える?2026年時点では原則18歳以上
現行NISAは、口座を開設する年の1月1日時点で18歳以上の人が対象です。そのため、2026年6月時点では、未成年の子供名義で現行NISA口座を新たに開設することはできません。
過去には未成年向けの制度としてジュニアNISAがありましたが、ジュニアNISAも2023年で制度が終了しています。2023年までにジュニアNISAで投資した商品については、一定のルールのもとで非課税保有や払い出しが認められていますが、2024年以降の新規投資はできません。
子供の教育資金を準備する場合は、親のNISAを使うのか、預貯金や学資保険など別の方法を組み合わせるのか、資金を使う時期から逆算して考える必要があります。特に大学進学費用のように使う時期がある程度決まっているお金は、すべてを投資に回さないよう注意しましょう。
つみたてNISAを始める前のチェックリスト
最後に、つみたてNISAを始める前に確認したいポイントを整理します。
- 旧つみたてNISAではなく、現在は現行NISAのつみたて投資枠を使うことを理解している
- 年間上限120万円、非課税保有限度額1,800万円の仕組みを確認した
- 生活費や緊急資金を預貯金で確保している
- 毎月の積立額を無理なく続けられる金額にしている
- 銘柄をランキングだけでなく、投資対象・手数料・リスクで確認している
- 米国株式だけでなく、全世界株式やバランス型なども比較した
- 売却できることと、売却時の枠再利用ルールを理解している
- 元本割れ、損益通算不可などのデメリットも確認した
制度を味方につけるには「上限まで使う」より「続けられる設計」が大切
つみたてNISAは、2024年以降、現行NISAのつみたて投資枠として大きく制度が変わりました。年間上限は120万円に広がり、非課税保有期間は無期限となり、長期の資産形成に使いやすくなっています。
ただし、制度が有利でも、無理な積立や理解不足の銘柄選びは避けたいところです。20代・30代は時間を味方につけやすく、40代・50代は老後資金や使う時期とのバランスが重要になります。毎月いくらが理想かは人によって違うため、まずは家計に負担のない金額から始め、必要に応じて増額する考え方が現実的です。
非課税のメリットだけに注目するのではなく、リスク、売却、銘柄選び、資金の使い道まで確認することで、つみたてNISAをより納得して活用しやすくなります。
出典:金融庁 NISAを知る:NISA特設ウェブサイト / 金融庁 2023年までのNISA:NISA特設ウェブサイト / 金融庁 つみたて投資枠対象商品 / 国税庁 No.1535 NISA制度
