「資産運用はやめとけ」と言われる理由

資産運用そのものが悪いわけではありません。しかし、始め方を間違えると、生活に必要なお金を減らしたり、不要な商品を契約したりするおそれがあります。そのため、「資産運用はしないほうがいい」と言われる背景には、いくつかの現実的な理由があります。

理由1:生活防衛資金まで投資に回してしまう

家賃、住宅ローン、食費、医療費、税金、急な家電の買い替えなど、日常生活には予想外の出費があります。こうしたお金まで値動きのある商品に回すと、必要なタイミングで損失を抱えたまま売却せざるを得ない場合があります。

資産運用を考える前に、数か月分の生活費や近い将来に使う予定のあるお金は、預貯金など流動性の高い形で確保しておくことが大切です。

理由2:「必ず儲かる」という言葉を信じてしまう

金融庁は、未公開株やファンドなどの勧誘において「必ず儲かる」「元本保証」といった説明に注意を呼びかけています。投資には価格変動リスクがあり、将来の利益を保証することはできません。

SNSや広告、知人からの紹介であっても、内容を理解できない商品に急いで申し込む必要はありません。金融庁の金融事業者一括検索機能では、金融庁から免許・許可・登録等を受けている事業者かどうかを確認できます。

理由3:おすすめランキングだけで選んでしまう

資産運用おすすめランキングは、比較の入口としては便利です。しかし、ランキング上位の商品が自分に合っているとは限りません。運用期間が短い人、収入が不安定な人、50代以降で退職時期が近い人では、許容できるリスクが異なります。

また、ランキングには広告や提携関係が含まれる場合もあります。見るべきポイントは順位そのものではなく、手数料、リスク、運用方針、途中解約の条件、税制、相談窓口の透明性です。

資産運用は何がいい?初心者は目的別に考える

「資産運用は何がいいか」を考えるときは、商品名から入るより、目的から逆算したほうが失敗を減らしやすくなります。たとえば、数年以内に使うお金は安全性と使いやすさを重視し、10年以上先の老後資金は長期・積立・分散を検討する、といった考え方です。

短期資金は無理に運用しない

1年以内に使う予定のあるお金や、急な出費に備えるお金は、価格変動のある商品に向きにくい資金です。利回りの高さだけに注目してしまうと、必要なときに元本割れしている可能性があります。

長期資金は分散を意識する

10年、20年と使う予定のないお金であれば、投資信託などを使って資産や地域を分散する方法も選択肢になります。金融庁は、長期・積立・分散投資の考え方を資産形成の基本として紹介しています。ただし、分散しても損失の可能性がなくなるわけではありません。

50代の資産運用は「増やす」だけでなく「守る」視点も必要

資産運用 50代というテーマでは、老後資金を意識した判断が重要になります。50代は、退職金、年金、住宅ローン、親の介護、子どもの独立、自宅の修繕など、お金の予定が具体的になりやすい時期です。

20代や30代と比べると、損失を回復するための時間が短くなる場合があります。そのため、全額を積極的な投資に回すのではなく、預貯金、保守的な資産、値動きのある資産を分けて考えることが現実的です。

次のページでは、資産運用シミュレーションの見方と、相談先を選ぶときに確認したいポイントを紹介します。