社債のメリット・デメリットは?元本割れするケースも確認
社債には、あらかじめ利率や満期が決まっている商品が多いため、受け取れる利息や運用期間を把握しやすいという特徴があります。その一方で、発行企業の信用状態や市場金利の変化によって損失が発生することもあります。
社債の主なメリット
- 利率が事前に分かりやすい:固定利付社債なら発行条件として利率が提示される
- 満期が決まっている:資金を使う時期に合わせて期間を選びやすい
- 定期的に利息を受け取れる:利払日があらかじめ定められている商品が多い
- 株式とは異なる値動きを利用できる:資産を株式だけに集中させない選択肢になる
発行体が債務不履行を起こさず、満期まで条件通り保有できれば、額面金額で償還される一般的な社債では、将来受け取る金額を比較的イメージしやすい点が特徴です。
社債の主なデメリット・リスク
1.信用リスク
発行企業が経営破綻したり財務状況が大幅に悪化したりすると、利息や元本が予定通り支払われない可能性があります。
2.価格変動リスク
社債の価格は市場金利などによって変動します。一般的に市場金利が上昇すると、すでに発行されている固定利率の債券価格は下がりやすくなります。
3.流動性リスク
株式のように常に活発な取引があるとは限りません。売却したいときに買い手が少なかったり、希望する価格で売却できなかったりする場合があります。
4.劣後リスク
劣後債では、企業が破綻した場合の返済順位が一般的な普通社債より低くなります。その分、高めの利率が設定されることがありますが、普通社債と同じ感覚で比較するのは適切ではありません。
社債は元本割れする?
社債でも元本割れは起こり得ます。
特に注意したいのが満期前の売却です。額面100万円で購入した社債であっても、市場金利の上昇や企業の信用力低下によって市場価格が95万円になれば、その時点で売却すると元本割れになります。
また、満期まで保有したとしても、発行企業が経営破綻するなどして元本を返済できなくなれば、購入金額がすべて戻るとは限りません。
したがって「満期まで持てば必ず元本保証」という説明は正確ではありません。一般的な社債は発行体が契約通り償還できることを前提として、満期に額面で返済される仕組みと理解するのが適切です。
個人で社債を選ぶときのおすすめの見方
特定の社債を「おすすめ銘柄」として利率だけで選ぶより、次の項目を一つずつ確認する方が安全です。
- 発行企業を理解できるか
- 信用格付けはどの水準か
- 普通社債・劣後債・ハイブリッド債など、どの種類か
- 何年間資金が拘束される可能性があるか
- 途中売却が可能か、十分な流動性があるか
- 最低購入金額はいくらか
- 税引後で受け取れる利息はいくらか
- 一つの企業に資産を集中させすぎないか
- 目論見書に記載されたリスクを確認したか
特に高い利率が提示されている場合は、「なぜこの利率なのか」という視点が重要です。期間が長い、発行体の信用リスクが相対的に高い、劣後債であるなど、高利率には条件上の理由があるケースがあります。
社債と株式の違いは?投資信託との違いも整理
社債、株式、投資信託はすべて資産運用に利用される金融商品ですが、仕組みは大きく異なります。
| 社債 | 株式 | 投資信託 | |
|---|---|---|---|
| 基本的な仕組み | 企業に資金を貸す | 企業に出資する | 集めた資金を運用会社が複数資産などで運用 |
| 主な収益 | 利息・売却益 | 配当・値上がり益 | 値上がり益・分配金など |
| 満期 | 原則あり | なし | 商品による |
| 価格変動 | あり | あり | あり |
| 元本保証 | なし | なし | なし |
社債と株式の違い
株式を購入すると企業への出資者、つまり株主になります。社債を購入した場合は、その企業に対して資金を貸している債権者です。
普通株式には原則として満期がなく、企業の業績や市場評価によって株価が大きく上昇する可能性があります。一方、普通社債ではあらかじめ利率や償還期限が決められており、株価が何倍になっても通常は社債の償還額が何倍にもなるわけではありません。
企業が破綻した場合の財産分配でも、一般的に債権者への弁済は株主より先になります。ただし、社債でも全額が回収できる保証はなく、劣後債などでは返済順位が異なるため条件の確認が必要です。
社債と投資信託の違い
一つの企業が発行する社債を直接購入する場合、その企業の信用リスクを直接負います。一方、投資信託は多くの投資家から集めた資金をまとめ、株式や債券など複数の資産へ投資する仕組みです。
たとえば多数の社債を組み入れる債券ファンドであれば、1社だけの社債を保有する場合より発行体を分散できることがあります。ただし投資信託には信託報酬などのコストがあり、基準価額も日々変動します。
社債はNISAで購入できる?
現在のNISAでは、個別の社債は対象商品ではありません。日本証券業協会のNISAに関する案内でも、国債・社債はつみたて投資枠、成長投資枠のいずれにも受け入れることができないとされています。
したがって「社債をNISA口座で購入して利息を非課税にする」という利用方法はできません。
なお、成長投資枠では一定の株式やETF、投資信託などが対象になりますが、公社債や公社債投資信託そのものは対象外です。債券を投資対象に含む投資信託の中にはNISA対象となる商品もありますが、これは「個別の社債をNISAで購入する」こととは異なります。
社債を実際に購入するときは、どこで申し込み、利息にはいくら税金がかかるのでしょうか。2026年に購入機会のある具体例とあわせて次のページで確認します。

