「年金はいくらもらえるのか」「ねんきん定期便はどこを見ればいいのか」「2026年に年金は引き上げられたのか」「働きながら年金を受け取ると減るのか」など、公的年金には分かりにくい点が少なくありません。さらに、年金から税金や介護保険料などが天引きされる場合もあり、通知書に書かれた年金額と実際の振込額が違うこともあります。この記事では、2026年度の最新制度を踏まえ、年金の基本的な仕組みから「ねんきんネット」「ねんきん定期便」、支給日、税金、年金生活者支援給付金、繰上げ受給、年金事務所の予約方法まで順番に解説します。

- 年金とは何か、公的年金の基本的な仕組み
- 年金はいくらもらえるのか、2026年度の年金額
- ねんきんネットとねんきん定期便の見方
- 年金の支給日と、年金から天引きされるもの
- 65歳以上で年金と給与の両方を受け取る場合の注意点
- 年金生活者支援給付金の対象者
- 年金の繰上げ受給と年金事務所のネット予約
年金とは?まず知っておきたい日本の公的年金の仕組み
日本の公的年金制度は、老後だけでなく、障害を負った場合や家計を支えていた人が亡くなった場合にも生活を支える社会保険制度です。一般に「年金」というと老後に受け取る老齢年金を思い浮かべますが、公的年金には老齢年金・障害年金・遺族年金があります。
老後の年金制度は大きく分けると「国民年金」と「厚生年金」の2つです。
- 国民年金:原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満の人が加入する基礎となる制度
- 厚生年金:会社員や公務員など、厚生年金の適用事業所で働く人が国民年金に上乗せして加入する制度
そのため、会社員として厚生年金に加入してきた人は、原則として老後に「老齢基礎年金+老齢厚生年金」を受け取ります。一方、国民年金を中心に加入してきた自営業者などは、主に老齢基礎年金を受け取る形になります。
老齢年金は原則65歳から
老齢基礎年金は、受給資格期間を原則10年以上満たしている場合、65歳から受け取れます。希望すれば60歳から65歳になるまでの間に早く受け取る「繰上げ受給」や、66歳以降に受給開始を遅らせる「繰下げ受給」を選ぶこともできます。
ただし、受け取る年齢を変更すると年金額も変わります。単純に「早く受け取ったほうが得」「遅らせたほうが得」とは決められないため、生活費、給与収入、貯蓄、健康状態なども含めて判断することが重要です。
年金はいくらもらえる?2026年度の年金額を確認
年金がいくらもらえるかは、加入してきた制度、保険料を納めた期間、会社員時代の給与や賞与などによって一人ひとり異なります。そのため、すべての人に共通する受給額はありません。
ただし、国民年金の老齢基礎年金には「満額」があります。2026年度(令和8年度)は、2025年度から年金額が引き上げられました。
- 国民年金(基礎年金):2025年度比1.9%引き上げ
- 厚生年金の報酬比例部分:2025年度比2.0%引き上げ
2026年度の老齢基礎年金の満額は、昭和31年4月2日以後に生まれた人の場合、月額70,608円です。昭和31年4月1日以前に生まれた人は月額70,408円です。
ここで注意したいのは、「70,608円が65歳以上の全員にもらえる」という意味ではないことです。国民年金保険料の未納期間や免除期間などがあれば、実際の老齢基礎年金額は満額より少なくなることがあります。また、厚生年金の金額は加入期間や過去の報酬によって大きく変わります。
「年金 いくらもらえる?」を最も確実に確認する方法
自分自身の将来の年金額を確認する場合は、日本年金機構の「ねんきんネット」を利用する方法があります。
ねんきんネットでは、これまでの年金加入記録を確認できるほか、将来受け取る老齢年金の見込額を試算できます。「かんたん試算」では、現在と同じ条件で60歳まで年金制度に加入すると仮定した見込額を確認できます。
さらに詳細な試算では、今後の働き方や収入、受給開始年齢などの条件を変更して比較できます。例えば「65歳から受け取る場合」と「受給開始を遅らせた場合」を比べるといった使い方も可能です。
年金ネットとねんきん定期便は何が違う?見方のポイント
「年金ネット」と呼ばれることもありますが、日本年金機構の正式なサービス名は「ねんきんネット」です。パソコンやスマートフォンから自分の年金記録や年金見込額などを確認できます。
ねんきんネットは、マイナポータルとの連携またはユーザIDの取得によって利用登録できます。
ねんきん定期便は毎年の年金記録を確認する重要な通知
「ねんきん定期便」は、年金加入記録や将来の年金に関する情報を確認するための通知です。通常は誕生月に送付され、年齢によって記載内容が異なります。
50歳未満の場合は、主に「これまでの加入実績に応じた年金額」が表示されます。つまり、現時点までに積み上がった加入実績を基にした金額であり、その金額が将来65歳から受け取る最終的な年金額というわけではありません。
50歳以上の場合は、60歳未満であれば現在の加入条件が60歳まで続くものと仮定した「老齢年金の見込額」が表示されます。
年金定期便の見方で確認したい4項目
- 年金加入期間:国民年金や厚生年金の加入月数に抜けがないか
- 保険料納付状況:未納など身に覚えのない記録がないか
- 厚生年金の記録:勤務していた会社や加入期間に誤りがないか
- 年金額・見込額:現在の記録を基にどの程度の金額になっているか
特に大切なのは、金額だけを見るのではなく加入記録そのものに漏れや誤りがないかを確認することです。転職回数が多い場合などは、過去の勤務期間が正しく反映されているか確認しておくと安心です。
そして2026年は、年金額だけでなく「実際に振り込まれる金額」を確認することも重要です。税金や保険料によって手取りが変わる仕組みを次のページで整理します。
通知書に書かれた年金額と銀行口座への振込額が違うのはなぜなのか、次のページで分かりやすく解説します。