社債は、企業にお金を貸すことで定期的な利息を受け取り、原則として満期に元本の償還を受ける金融商品です。株式とは値動きや利益の受け取り方が異なり、預金より高い利率が設定されるケースもあります。一方で、発行企業の信用力低下や倒産、中途売却時の価格下落などによって元本割れする可能性もあります。この記事では、社債とは何かという基本から、利回りの相場、信用格付け、メリット・デメリット、社債の買い方、税金、NISAでの扱い、2026年のトヨタファイナンスやソフトバンク関連の社債まで、最新情報をもとにわかりやすく解説します。

この記事の目次

  • 社債とは?仕組みをわかりやすく解説
  • 社債の利回り相場と信用格付けの見方
  • 社債のメリット・デメリットと元本割れのリスク
  • 社債と株式・投資信託の違い、NISAで買えるのか
  • 社債の買い方・購入方法と税金・確定申告
  • 2026年の社債発行予定とトヨタファイナンス・ソフトバンクの動向

社債とは?企業にお金を貸して利息を受け取る仕組み

社債とは、企業が事業に必要な資金を調達するために発行する債券です。企業は社債を購入した投資家から資金を借り、その代わりとしてあらかじめ決められた条件に基づいて利息を支払い、満期になると元本を返済します。

たとえば、額面100万円、年利2%、期間5年の固定利付社債を100万円で購入した場合、発行企業が契約通りに支払いを続ければ、税引前で年間2万円の利息を受け取り、5年後に100万円が償還される、というのが基本的なイメージです。

ただし、社債は銀行預金とは異なります。発行企業が経営破綻した場合などには利息や元本の全部または一部が支払われない可能性があり、預金保険制度の対象でもありません。

社債で確認したい基本項目

  • 発行体:どの企業がお金を借りるのか
  • 額面金額:満期時の償還金額の基準
  • 利率:額面に対して何%の利息を支払うか
  • 利払日:いつ利息が支払われるか
  • 償還期限:いつ元本が返済される予定か
  • 信用格付け:発行体・社債の信用力を示す評価
  • 担保・保証・劣後特約:返済順位や条件に関する重要事項

個人向け社債では100万円程度を1単位とする商品が多く見られますが、すべての社債が100万円単位というわけではありません。近年はデジタル証券を活用し、10万円など比較的小さな金額から購入できる商品も登場しています。

社債の利回り相場は?利率だけで比較してはいけない理由

「社債の利回り相場はいくら」と一つの数字で表すことはできません。社債の利回りは、発行企業の信用力、満期までの期間、市場金利、担保の有無、劣後性などの条件によって大きく変わるからです。

一般的には、信用力が高いと評価されている企業ほど低い利率でも資金を集めやすく、信用リスクが高いと判断される社債ほど高い利率が求められやすくなります。また、同じ企業であっても、期間が長い社債ほど利率が高くなる場合があります。

2026年に実際に発行された社債の利率例

2026年8月27日時点の実例を見ると、トヨタファイナンスが2026年7月に発行した無担保社債では、期間によって次の利率が設定されています。

社債期間利率(年)
トヨタファイナンス第119回2年1.636%
トヨタファイナンス第120回3年1.763%
トヨタファイナンス第121回5年2.198%
トヨタファイナンス第122回6年2.379%

一方、ソフトバンク株式会社が2026年5月に発行した円建て無担保普通社債では、第33回が年1.844%、第34回が年2.587%、第35回が年3.589%となっています。

さらにソフトバンクグループ株式会社が2026年8月24日に発表した主に個人向けの第70回無担保普通社債では、2026年8月27日時点で年4.30~4.90%が仮条件とされています。ただし、この利率はまだ確定値ではなく、正式な発行条件は2026年9月4日に決定予定です。

このように同じ2026年の国内社債でも利率にはかなり幅があります。単純に「利率が高いほどお得」と考えるのではなく、信用格付けや期間、劣後性、換金性までセットで比較することが重要です。

利率と利回りは同じとは限らない

「利率」は原則として額面金額に対して支払われる利息の割合です。一方、「利回り」は購入価格や受取利息、償還までの期間などを含めて投資収益を考える指標です。

新規発行時に額面どおりの価格で購入して満期まで保有する場合は両者が近い数字になることがありますが、中古の社債を額面より高い価格・安い価格で購入する場合には、表示されている利率だけを見ても実際の利回りは分かりません。

社債の信用格付けはどう見る?

社債を比較するうえで重要なのが信用格付けです。信用格付けは、発行体や個別の債務について、元本や利息を約束通り支払う能力・確実性を格付会社が評価したものです。

一般的にはAAA、AA、A、BBB、BBなどの記号が使われ、BBB格相当以上は「投資適格格付け」、BB格相当以下は「投機的格付け」と呼ばれます。

ただし、AAAなら元本が絶対に保証されるという意味ではありません。格付けは格付会社による信用力の評価意見であり、将来変更される場合もあります。同じ企業でも格付会社によって評価が異なることがあります。

社債を選ぶ場合には、格付けだけでなく、発行企業の財務状況、借入金・社債残高、利益やキャッシュフロー、社債の返済順位なども確認しておくことが大切です。

では、利息を受け取れる社債には具体的にどのようなメリットとリスクがあるのでしょうか。特に見落としやすい「満期前の元本割れ」を次のページで詳しく解説します。